2025 05,16 07:40 |
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2017 06,30 17:09 |
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ゾーンオフェンス。
チームによって得手不得手がはっきりと分かれる分野である。マンツーマンでは歯が立たなかったチームでも、ものは試しにと中途半端な完成度レベルのゾーンを仕掛けてみると、マンツーOの時と比べて信じられないくらい攻めあぐねたりする。
かくいう我ら永遠の少年サーカスことVegeGriffonsも、平均年齢30オーバーというベテランを揃えておりながらゾーンオフェンスを苦手としていた。思い出されるのは2017ドリームでの明治大学戦。試合中盤まで3アップで優位に試合を進めていたのが、ゾーンに切り替えられた途端に連続4ブレイクという玄界灘のマクラーレンを喰らい、初戦敗退したのは記憶に新しい。
ドリームでの敗戦を試金石とし、3ヵ月後の全日本選手権に向けての、当然ベジのステップアップの課題として、ゾーンオフェンスは大きなテーマとなった。
とある日の小岩での練習にて。
直前の練習試合でもまんまとゾーンを攻めあぐねてしまったため、改めてゾーンオフェンスに関するミーティングを行うこととなった。
『スロースピードは早く』
『カップをとじるためにパパーがつつく。カップがとじたら早いスイングで展開する。』
『スイングをもらったら、まずは奥から視点を落とし、ゲインのあるハンマーやロングの選択肢を意識する。』
「それはわかってるつもりだけど、実践できないことが問題なのでは?」
じゃあ具体的にどうすればいい???
過去のミーティングでも出し尽くされた意見が掘り返され、理論と現実のギャップに皆頭を抱えていた。10年間、毎年のように議論し、解決策も変わらないこのテーマに、チーム全体が沈痛な面持ちで下を向いていた。トミオカだけはなぜか口が半開きで完全弛緩した顔面で遠くの上空を見つめているようであったが、あたりには重苦しい空気が流れていた。
誰しもが革新的な妙案を望んでいた。わしも年齢だけはベテランとして何か鋭いアドバイスができないものかと頭をフル回転させていたが、結局はそんな特効薬のような甘い解決策などは見つかるはずもなく、ただただ己の不甲斐なさに下を向き、唇を噛みしめることしかできなかった。
そんな重苦しいシリアスムードの中、遂にあの漢が口を開いた。
漢とは、そう、第87代VegeGriffons軍主将・ヒロミチ。
さすがチーム移籍から2シーズン目という超スピード出世でVegeGriffonsの主将まで上り詰めた漢。
10年も平社員に甘んじている我々ベテラン勢の思考とは、切れ味が違った。
ヒロミチ「ゾーンオフェンスは、タマのしわを伸ばすイメージで攻略しましょう。僕は大学時代(京都大学:偏差値73)ずっとそうやって練習してきました。」
わしには“タマのしわを伸ばす”がどんな事象のことを指すのかカケラも理解できないワードの羅列であったが、具体的な戦略等全てを超越した、あまりにクリティカルなオフェンスポリシーのブチ上げにさすがのベジメンバーも絶句していると、「承認!」とばかりに、顔面を弛緩させM字開脚スタイルであったトミオカが腹の底からホラ貝の如く重厚な屁を放出し、そのままキャプテンの提案は採択されてしまった。俺の妙案でチームの意識が統一されたとばかりに、完全に仕事してやったぜ顔のヒロミチキャプテンの号令により、そのまま昼ごはんに入った。
それからというもの、我々はゾーンにおけるタマのしわ伸ばしオフェンスを確立させるため、様々なチームにゾーンのセット練のお願いをして鍛錬を続けた。お願いしたチームの中にはMUDさんなど女子のトップチームも含まれていたが、我々がそんなポリシーに則ってオフェンスしていたなんていうことは、当時もこの先も絶対に口外できない事案なのである。
それから3ヶ月。
遂に今シーズンの練習成果のお披露目の場である、全日本選手権・東日本予選を迎えた。
相手は大ベテラン+若手が融合したクルーズ。
確実にゾーンディフェンスが仕掛けられることが予想され、まさに願ったり叶ったりの状況が生まれたのであった。
しかしながら、あれだけ練習したゾーンオフェンスであったが、やはり今回も絶望的に苦しめられた。
クルーズの大ベテラン陣の形成するシワはあまりにも深く、押し寄せる襞の波によってじわじわとライン際まで追いやられ、そこで若手のシンペイ君によるピンと張られたシワ、もといストーリングをガッチリ極められ、まんまとガンはまりした。
3月のベジであったらそこで攻めの手立てがなくなりThe Endであることは間違いなかったが、ヒロミチキャプテンの打ち立てた信念をもとに弛まぬ練習を続けた我々はなんとか喰らいつき、ユニバースポイントまで持ち込んだ。
そして始まったユニバースポイントのオフェンス。しかしまんまとドリンボがスローを刺してTOを献上した直後、クルーズの要するレジェンド・マサさんによる絶品のQBロングが無常にもエンド内のシンペイ君に吸い込まれ、俺たちVegeGriffonsの2017シーズンが終了した。
2017シーズン、我々の挑戦は予選の初日で散ってしまったが、それでも“タマのしわ伸ばしオフェンス”の開拓は始まったばかり。我々の未来は明るい。
「やべー、昨日風呂に入ってないうえにトランクスも替えてないからタマが太ももにひっついて邪魔だわー」と、何かとトークをタマ案件にもっていきがちなヒロミチキャプテンであるが、そんな彼も7月ご結婚とのこと。ご祝儀に代えてこのブログ記事を進呈させていただきます。
おめでとちゃん◎
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