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2022 09,28 18:04 |
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<715日目> 2020年4月、初の「緊急事態宣言」が発出されたことに伴い、マーベリックスのチーム単位での活動も停止となった。 未曾有の事態に対して監督として急ぎ着手しなければならないことは、 ・全体練習再開の日に備えて、体力を衰えさせないこと。 ・練習や大会が全く未定という環境のなかで、モチベーションを継続させること。 ・一刻も早く全体練習を再開するために画策すること。 と見定めたが、一個目と二個目については、比較的容易な案件であった。 幹部らを中心にオンライントレーニングや個別のトレーニングについて考えてもらい、選手が日常的にトレーニングを行い、その実施状況を管理するような仕組みを作ってもらった。 モチベーションの維持については難しいところであったが、プレゼント企画的なものを度々開催し、なんとかチームへの関心を繋ぎとめてもらおうと試みた。(実際、そんなに影響はなかったかもしれないが…汗) 一方で、三個目の「全体練習の再開」、すなわち対コロナの画策については困難を極めた。 なにせこのようなパンデミックは前例がないため他のスポーツ等での取り組みも世の中に出回っておらず、再開に向けた前向きな取り組みどころか、全国的に「自粛!自粛!」の大合唱であったため、もはや「チーム活動の再開」について触れることすら禁忌なのではないかと思わせるほどであった。 しかし将来的にコロナ禍が明けるのであれば、必ず世界大会賭けの全日本選手権の試合がやってくるという未来から逃れることはできない。 でも、この世のどこにも正解例がないうえに、活動再開について具体的な方法と共に背中を押してくれる人は誰もいない。 だから、わしは信頼性のある情報に基づいた、マーベリックスオリジナルのルールを考える必要があると思い至った。 ・チーム単位での活動に際して、考え得る感染リスクを最大限に遠ざける努力を行う。 ・選手本人とそのご家族の安全を第一に考える。本人の参加意思と、ご家族の了解をもって参加可とする。 要約するとこれらのことを具体的な対応事項としてマニュアルに落とし込み、チーム全体で徹底管理のうえで運用するということが、絶対的な正解ではないかもしれないが、考え得る最適解であろうと考えた。 それからというもの、目まぐるしく変化する政府の動向や、各種スポーツ大会等の運用規定、厚労省等の公的機関や医療機関等が公表する感染のメカニズムに関する資料等、根拠情報として扱うことができそうな資料を片っ端から読み倒した。 どれだけの時間を要したか思い出したくもないが、今後選手から説明を求められたり相談を受けたときにしっかりと根拠をもって説明できるよう、そして自粛万歳という世の流れに反するチーム活動に対して世間から詰問されたときにしっかりと妥当性を説明できるよう、徹底的に理論武装した。 ガイドライン公開のタイミングから、本格的にチームの活動に向けて幹部らと調整し、6月13日から先のマニュアルにある条件の下、活動を再開するに至った。 活動を再開することについてマニュアルと共にチームのSNSで発信したことは、当時としては極めてチャレンジングであったと振り返る。 しかしその後、マーベリックスは世間からバッシングを喰らうことはなく、逆に同様に活動を再開したいと考える複数のチームから問い合わせがあり、マニュアルを共有させていただいた。 実際にそのマニュアルにある内容を参考に自チームの運用に向けてアレンジし、活動を再開したチームもあったと聞く。 同じアルティメットという競技を行う仲間たちが等しく悩みを抱えるなかで、抜け駆けして活動再開するという己の利だけを追求するのではなく、広くアルティメット仲間に対して一つの方針を示したというこの試みは、わし的にささやかながら、今まで大変お世話になったアルティ界への恩返しとなったのではないかと思っている。 もちろんこの試みはスタートすればいいということではなく、示されたマニュアルを徹底的に守りながら全員が全力で活動を続けたために、そこから一年半チーム内での感染は無かったという結果が伴って、初めてその方針の妥当性が認められるものだと思われる。 (残念ながら2022年2月に集団感染を確認したため、厚労省の療養・解除基準に則り、チームは一定期間活動を停止した。) 今、当時の取り組みについて堂々と振り返ることができるのも、一重にメンバー全員の真摯な協力があってこそであることに間違いないので、対コロナに関してもマーベリックスのメンバーには本当に感謝したい。 そんな形でマーベリックスのもう一つの戦い、コロナとの戦いが始まり、それはコロナ禍が未だ明けない執筆時(2022年9月)もまだ続いている。 PR |
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