2025 05,17 08:08 |
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2011 11,10 09:54 |
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我々が2年生になった。新学期、ホッケー部の部員は2年生と3年生あわせて4人しかいなかったので、是が非でも新勧を成功させなければいけない訳なのだが、正直1年生だけで7人集めるのは難しい。ゲヴォさんはここぞとばかりにいいところを見せつけようとGKの防具に身を包んで校内を練り歩いていたが、防具を装着していることが災いして会う人会う人みんなにボコボコにされるだけで全く勧誘活動としては芳しいものではなかった。
結局新入部員は5人であり、計9名のS高ホッケー部は、スキー部のドベさんを呼んだとしても大会に参加できない状況に陥ってしまった。非常に不毛な1年であり、そしてイケてない高校生活に拍車がかかることにゲンナリであった。 しかしそんなある時、顧問からこんな話が出た。 顧問:「今年から7人制ホッケーの大会というものが開催されるみたいだよ。」 なんたる幸運。これにより部の活動意義がなんとか保たれることとなった。 夏、我々は7人制ホッケーの大会会場である、飯能市の阿須運動公園へと向かった。当時は当然車移動なんてなかったため、全員西武池袋線元加治駅に集合し、そこから30分くらい徒歩での移動である。元加治駅に到着すると、思わぬ歓迎が待っていた。 ボロいスクーターに、ノーヘル、ド金髪、2ケツという、どこからどうみても「ザ・ヤンキー」のお方たちが、完全に我々をロックオンしている様子であった。寂れた駅前の通りを、我々の集合ポイントを中心に行ったり来たり、ブンブンとアクセルを吹かしながら往復しておられた。 彼らの恨みを買うようなことは一切行っていない我々であったが、一同暴力がキライであったため、イワシの大群のように小さくまとまって阿須運動公園の方に歩いていった。 後ろのほうでブンブンいっているが、どれだけ歩いても音が遠くならない。嫌な予感がしてしょうがないのでチラッと後ろを振り返ってみると、先ほどのバイクが我々と10mくらい距離をあけて、我々が歩く速度と同じ速度でついてこられていた。熊と遭遇したときと同じくあまり刺激してはならないと察したため、皆何事もないかのように粛々と開会会場へと歩を進めた。 駅から歩き始めて約30分、我々はヤンキーを引き連れてようやく大会会場へと到着した。会場の駐車場を通り抜けようとすると、駐車場の端にある仮設トイレの脇にバキュームカーが停まっており、そこから何かまるで噴水のように噴出しているのが見えた。 ・・・それは、汚水の噴水であった。ギャグマンガでしか見ることのできないバキュームカーの逆噴射が、目の前で繰り広げられていた。文明のある程度発達した国ではまずみることができない、地上をウ○コが流れるという終わっている状況を尻目に、我々はロッカールームへと邁進した。 道にはウ○コ、後ろにはヤンキー。試合前の心理状態として最低であることに間違いない。 我々にターゲットを絞ったヤンキーは、それはそれは律儀であった。我々がグラウンドで試合している最中も、延々とグラウンドの金網の外をブンブン走り回っていらっしゃった。もしかしたら、彼らなりの応援だったのかもしれない。 動揺を隠し切れない我々は、そこそこの点差をつけられて敗戦した。しかし試合終了の頃には、私設応援団の方々も撤退なさっていたので、我々は悔しいというよりもホッとした気持ちで帰路についたのであった。 PR |
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