2025 05,16 07:27 |
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2018 10,29 20:32 |
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2018年10月下旬に開催されたチャンピオンズリーグ。 基本的にわしが大会に臨む動機は、非日常的な現象が起きやすい場を求めて取材に行く、というものが9割以上締めているため逆に日中は暇をしていることが多いのだが、今回の大会ばかりは忙しかった。 なぜなら今大会で遂に、我らが東京都聖オゲレツ学園アルティメットゑロス倶楽部VegeGriffonsの公式姉妹チーム、「ヘーセーベジグリフォンズ」が初陣を飾るからである。 わしに期待されている役割の九割五分は自立歩行型の財布であると痛いほどに認識しているが、いちおー監督という肩書きをいただいてしまったので、所属する21人との責任関係みたいなものを感じるところもあり、実は心配事は尽きないでいた。 大会も迫り、チームのLINEグループでも戦術的な話が共有されてゆくなかで、突如、見逃すことのできないワードが目に飛び込んできた。 りお「・・・【DF】ブレイクメンバーを “セーラー戦士” と呼ぶ。・・・」 読者のほぼ全員が意味不明と思っていることであろう。 ただし、現在アルティ界において、選ばれし8名のみ、我こそはセーラー戦士という自覚を持って生きている。そのうちの一人はハルモト氏であることは、以前の投稿において紹介したばかりである。 しかし基本的にセーラー戦士は2018年10月の台湾の大会に出場したメンバーから誕生しているため、ヘーベジのグループに流してもほとんどの人に響かないはずなのである。 そう、 ゴリゴリにセーラー戦士の自覚のある、 わしを除いて またやられた。 ほぼ暗号の読解に近い形の、高度なハニートラップである。 戦略の情報共有の中にさらっとキラーワードを入れることにより、セーラー戦士の自覚のあるヘーベジのなかの数人と共に、みんなの前でとっくに30を過ぎた成人男性のわしにもセーラー服を着せようという、凶悪なハニートラップなのである。 このハニートラップの悪質なところは、意を決してセーラー服を着ても選手たちに「クソきめえ」と言われ、チキッて着ていかなくても「空気読めねーのクソさみい」と言われて、どっちに転んでもわしにはハッピーエンドが無いのである。 わしはこの投稿があってから大会当日まで、夜も寝れないほどに悩み続けた。 そして迎えた大会初日の朝。 前泊をしたビジネスホテルの部屋にて、わしの目の前にはまるで虫ケラを見るかのような視線でわしを見る、華絵門氏が直立していた。 向かい合って立つのは、そう、試合前にも関わらずセーラー服を着た、わし。 華絵門「君は、なぜセーラー服を着ているのだい?」 当たり前の質問であるが、回答には非常に窮した。 なぜなら、直接的には誰からも着ることを依頼されていないのである。 りおのハニートラップの餌食になっているからと言っても何の証拠も提示できないし、これが今シーズンのベジのユニですが何か、とホラを吹くこともさすがに無理があった。 観念したわしは、セーラー服姿のまま、毅然とした態度かつ、穏やかなで口調で、言った。 わし「男には、時として、口には出せない事情が、あるんだ。」 何か、目には見えない、大切なものが壊れた音が聞こえた気がした。 場所は変わって富士川緑地のグラウンド。 ヘーベジの朝イチ9:00からの試合は丸々見ることができるスケジュールであったため、わしもヘーベジの集合時間にあわせて集合していた。 かえでキャプテンにより挨拶が行われ、大会を通じての目標や、目指すチームの雰囲気などが話された。まさに新設チーム、できたてホヤホヤのつるんつるんである。 まさか誰も、至近距離に上着・長ズボンの下にセーラー服をガッチリ着込んでいるリアルなハードキモヲタが存在しているなんて、夢にも思っていなかったことだろう。 しかしそれはわし然り。 この中の何人かはセーラー戦士に該当するはずなのだから、セーラー服を仕込んでいるに違いなかった。 わしは監督として、選手を信じていた。 試合開始。 みんなに言いたくても言えない秘密をぐっと堪え、そのときがくるまで耐え続けていた。 そして遂に、やってきた。 ブレイクを狙うためのタイムアウトをとったときであっただろうか。 ディフェンスを取り仕切る、りおが言った。 りお「それじゃあ、セーラー戦士行きます!」 遂にキターーーーーーーー!!!!! 息をあわせて上着を脱げば、そこにはなんとあら不思議、セーラー戦士が4人もいるではないかーーーーーーー!!!!!!! 選手と監督が完璧に以心伝心している姿を見せつければ、チーム全体が盛り上がること間違いなし!!!!!ブレイク間違いなし!!!!!!! わしは監督業の初仕事を完璧にメイクするために覚悟を決めて、上着を脱ぎ放った!!!!!!!! 広大な富士川緑地には、セーラー戦士は、1人しかいなかった。 そのセーラー戦士は、30台も半ばに差しかかった、妄想癖により自らを監督と名乗る、成人男性であったとか。 年齢が干支一回り以上違うベジガールたち総勢20人による痛烈な視線が、わしに突き刺さった。 よく考えたらベジガールの大半は会って2日目とかなのでわしの情報はほとんど持ち合わせておらず、彼女からしてみればわしはアルティの表舞台には全く顔を出してこないが、なぜか監督を名乗ってチームにストーカーしているただのおじさんであることに、その時気付いた。 話が違う あ、そうか、 これが、 ハニートラップか これが、 オヤジ狩りか その後はスケジュールの巡りあわせが悪く、全てのヘーベジと元祖ベジの試合が重なってしまったため、2日間を通してほとんど監督業らしい監督業ができないという結果になってしまった。 つまり、ヘーベジの選手たちの認識としては、ほぼ「監督がコートサイドにいる時間=監督がセーラー服を着ていた時間」ということになる。 わしがクビになる日がやってくるカウントダウンは、初大会にして既に急速回転を開始したのであった。 ところで、ベジガールに仲間入りして、みんなと一緒になって痛烈な虫ケラ視線を届けてくれた、まだほとんどまともに話したこともない、ななまる君とゆき君。 あの時、あんな視線を向けてくれたけど、君たちは、ほぼ初対面の女子の前でセーラー服姿になり全員からの虫ケラ視線によりズタボロになっていた男の、時は違えど4年間も一緒のキャンパスに通っていた、直属の後輩なのだよ。 そう、ハードキモヲタの、私のね。 PR |
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