2025 05,16 10:25 |
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2015 05,12 18:08 |
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ベジ・サムライ・スピリッツ・ヒートヘイズの4チーム合同大阪合宿の夜の部の話。
日曜日の練習を終えた後、わしは志村氏のお宅にお邪魔し、泊めてもらうことになっていた。わしの他にも、先日行われた済州島トーナメントの打ち上げを行うとのことで、関西女子チームのバディーズからはマイコ、カヨ、スピリッツからは志村氏、サムライからはタクヤ、スグル、エロ紳士シンタ、別に打ち上げとは関係ないがベジからはトノイケ、トミオカが集結した。
打ち上げは阪急電鉄岡本駅近くの居酒屋で行われたのだが、いかんせんわしを含めたベジの3人が初対面の人が多く、せっかくの打ち上げなのにギクシャクした滑り出しとなった。しかし俺たち、アルティとお酒あればみんなトモダチさっ!ということで、時間が経つにつれ皆の本性が現れ始めトークも弾んできた。しかし対人コミュニケーション能力が小3レベルのわしは部屋の隅で置き物のように息を潜め、人間観察を決め込んだ。
カヨの炸裂させるなぜかいやらしさを感じない下ネタに対して、ギンギンに生々しい下ネタを謎に紳士的な風格で飄々と返すエロ紳士シンタ。なぜか急にLINEゲームのポコパンをプレーし、タクヤの頼んだコーラを横取りして競うように一気飲みし続けるカヨとスグル。トノイケの一挙手一投足に対して生理的に無理と糾弾するカヨとマイコ。(カヨの出現率高すぎ)
済州島のトーナメントで優勝するという華々しい思い出を共有した彼らに対し、ドタ参のベジ3人といえば、初対面の人たちから「くちびるオバケ」と呼ばれるトミオカ、何をしても生理的に拒絶されるトノイケ、ただ空気のように部屋の隅に座るわし。思い返せば涙が出てくる構図であった。
が、我らがベジの主戦場のパーティー空間において、このまま引き下がるわけにはいかない。
様々な手段を一気にスッ飛ばして、トノイケが切り札を切った。
トノイケ「ハルオさんがボイトレやってるって、知ってます?」
それは確かに話題提供には効果的な一撃であるが、間違いなく大きな代償を伴うカードである。全ての代償はわしに降り注ぎ、皆の望む形で清算しなければ解放されない、ほとんど自爆テロのようなものである。どう考えても軽い気持ちで切ってはいけないカードである。
わしがボイトレを始めたのは3年前。日常生活に支障をきたすほど歌がヘタなのであるが、何かの弾みでカラオケに行かなければいかなくなってしまった場合、パーティーサークルベジグリフォンズの構成員として「僕は歌えません」では済まされないため、人並みに歌えるようになりたいという切実な願いから、道場の門を叩いたのである。しかし完全シークレットで教室に通っていたある日、全く予想だにしない形で世間に知られることになる。それは、自分の結婚式二次会である。幹事と華絵門が結託し、わしが教室に通うところから教室でトレーニングを受けている姿の一部始終を動画で盗撮され、あろうことか参加者120人の前で垂れ流されたのである。わしの人生で、あれほどの鬼畜サプライズは経験したことがなく、まさに羞恥地獄であった。それからというもの、何かと歌えという雑なフリを受けることが多いのだが、リアルガチ生き地獄であることを忘れないでいただきたい。
そんな経緯があるにも関わらず、知り合ってまだ数ヶ月しか経っていないトノイケは、極めてぞんざいなことにそのカードを投下したのである。打ち上げにきたメンバーたちはざわめいた。部屋の隅でむっつりしていた男がボイトレに通っているという事実がバレれば、ひといじりくらいはしたくなるものなのであろう。飲み会のあとカラオケに行こうという声が聞こえたりして、わしはまさに穴があれば入りたい心持ちであった。
そんなざわめきの中、これまで誰よりも存在感を消し、わしと同じく部屋の隅に鎮座していた男がなにやらもぞもぞと動き始めた。どこぞの南米地方の孤島にそびえ立つ石像風の置き物かと思っていたら、志村氏であった。トノイケがカードを投下した途端、彼は急に目を輝かせ、スマホをバチバチ操作し始めた。向かい側に座るわしには彼が何を企んでスマホを操作しているのか皆目見当がつかなかったが、すぐにそれは披露された。
志村「YoutubeにTrue Love(藤井フミヤの歌で今年のわしの課題曲)のカラオケがあるよー」
究極のドヤ顔でスマホの音量を上げ、Youtubeが再生される画面を見せてくる志村氏。
た、叩き殺してやりてぇ・・・!!!!!!!
志村氏による、良識ある人間には決してあるまじきハード鬼畜プレイにわしは卒倒寸前であったが、すでにカラオケの伴奏が始まってしまっている。そして、そこにいる皆がこっちを見ている。「振り返ると・・・」の歌い出しまであと5秒。
わしは頭をフル回転させて考えた。何かこの羞恥プレイから抜け出せる術はないものか・・・。
なかった。
わしはうまくもないTrue Loveを居酒屋の個室で歌わされた。その歌声をきいて皆哀れみの視線で見つめてくれていたが、その中で圧倒的にニヤニヤしていた志村氏には殺害願望しか抱かなかった。
しかしそんなフミヤにかけらも及ばない下手くそなTrue Loveが垂れ流される中、何かが心の琴線に触れてしまったのか、初対面であるはずのトミオカとスグルが唇を覆いかぶせるようなディープなキスをしてリアルTrue Loveをおっ始めていたので、彼らはデキているに違いない。 PR |
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