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2016 03,17 21:04 |
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2016年3月、ドリームカップ@富士。
お昼どきをはさんだ2時間という長い試合の空き時間、わしは広大な大地に一人ぽつねんと座り、孤独のグルメを決め込んでいた。
といっても食べているものは早朝6:30に宿で渡された、もはや何を揚げたのだかわからないような揚げ物がぶちこまれ、完全に冷え切ってしまった、ドブのようなお弁当をパクついていただけなので、グルメでもなんでもなく、ただの孤独であったことは疑いの余地が無い。
大会には2000人を超える選手、もとい同業者が参加しているにも関わらず、10年以上欠かさず通い続けた富士の大地で、わしの存在になんか気付く人は誰もいなかった。
皆和気藹々と、あたかもわしなんて存在していないかのように目の前を通り過ぎてゆく。パーティー斡旋専門NPO・VegeGriffonsを一歩離れると、社会からこのような絶対零度の冷遇を受けるのかと、わしはただ下を向き、カチカチに固まった白メシを少しずつほぐしながら、そして心では泣きながら、弁当を食べ、センチな気分に浸っていた。
・・・ピチャッ、ピチャッ・・・
突然そんな音が聞こえるとともに、白メシが黒く染まり始めた。
遂にダークな気持ちが核の灰となり、わしの弁当だけに黒く降り始めたのか・・・、と行き場の無い絶望感に下を向いていると、黒い染みは更に広がりを見せた。
・・・ピチャ、ピチャ・・・
はぁ、これが終焉か、映画ターミネーターでいうところのジャッジメントデイか・・・、とある種の悟りをひらいたところで、わしは顔を上げて、わしの冷や飯に黒い染みをつける元凶を見定めることにした。
そこには、想像を絶する驚くべき光景が広がっていた。
この世のものとは思えない邪悪な笑みを浮かべた男が目の前に屹立し、手に持つ割り箸を黒い汁の入った紙コップに浸し、その黒い汁を割り箸に伝わせて、わざわざわしの弁当の上で水切りの要領で箸を振り、汁を散らしていた。
その猟奇的で究極的な変態プレイにわしは口をあけて唖然としていると、その男はその後数回に渡ってメシに汁をふりかけ続けた。
そんな純粋に変態チックな男とは、
そう、
志村
わし「志村さん、なんで僕のご飯にそんなに汁をかけるプレイに勤しんでいるんだい?」
志村「いや、ご飯に糖分を加えて元気づけてあげようと思ってね。」
そして志村さんは去っていった。
大会中に志村さんと交わしたコミュニケーションは、それだけだった。
わしはただ、なすがままに志村さんに汁、もといお汁粉をかけられたのであった。 PR |
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