2025 05,16 06:23 |
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2011 02,11 17:05 |
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ハスキーズの歴史に、あまりに凄惨な事件であったため、語られることがタブー視されている出来事がある。 今回、皆の記憶から薄れ闇に埋没してしまうことの方が危険であると思い直し、わしは勇気を振り絞って筆をとった。 それは、2006年3月に行われた園遊会でのこと。 園遊会とは、卒業してしまう4年生が主催し、下級生たちと学生最後の交流を楽しむイベントである。ちなみに、2006年の園遊会は、負の遺産と呼ばれる12代目の我々が主催した。 場所は伊勢原の山奥にあるキャンプ場。夜になると1m先も見えなくなるような漆黒の闇に包まれる、現実と隔離された空間であった。 我々の代以前にも何度かこの施設は使わせてもらっており、毎年多くのハスキーズの選手が帰らぬ人となった。自らの寝ゲロが吐き散らかされた上でローリングしてしまったため、髪の毛をゲロでトリートメントしてしまった者(通称:ゲロトリ)など、あろうことか20代前半のうら若き乙女たちも数々の醜態を晒していた。女子ですらこのような有様であるので、男子に至っては説明の必要はないであろう。 そんな地獄絵図を何度か経験した上での我々の主催であったため、だいたいの事件は想定できていたし、それらの対処についても準備万端、迅速な対応をとることができた。 が、1件だけ、誰も想定し得ない事件が起こってしまった。その現場を目撃した数名の男たちは、あまりの事態に口を開けてしばらく停止してしまったほどである。 その事件の犯人は、「将軍」と呼ばれていた、我々1コ上の代の先輩である(4年生が後輩をもてなす会なのに、なぜか先輩が混入している事態も、よく考えるとおかしいが)。将軍さんは、なぜか果敢にもOBとして単身園遊会にぶっ込んできた。この時点で、変わり者であることが想像できる。将軍さんは、アルティ界では100%「ハルオ」で通っているわしのことを、最初から最後まで「ヨシタカ君」と呼んでいた点からしても、やはり変わり者である。 将軍さんは、唯一のOBであったので、それはそれはもてなされた。どこに行っても飲まされるターゲットになったし、モリンボお得意のゲーム飲みにもしっかり参加されていたため、未知数のアルコール量を摂取されていた。しかし飲んでいる時は非常にご機嫌であり、そのテンションは夜が明けるまでずっと落ちることはないのではないかと思われた。 基本的に園遊会にはタイムリミットはなく、夜が明けるまで飲み続け、翌朝11:00頃に下山する。なので途中で朽ち果てていく者は寝部屋に叩き込まれてゆくものの、卒業する4年生を中心に、多くの者が徹夜していた。 確か、午前3時くらいまでは、わしは将軍さんの存在を認識していた。屋外に飯盒炊爨(はんごうすいさん)ができるスペースがあり、そこで水炊きなどして火にあたりながら語っていた気がする。(話はそれるが、その場に同期の塩という女がそれはまたグデングデンに酔っぱらっており、名前が挙げられた全てのドラゴンボールのキャラクターを演じてくれていた。案の定彼女はその後寝部屋に投入されたが、朝目覚めてもグチャグチャな泥酔状態であった。何度も道中のトイレを散らかし回した揚句、帰宅後2日くらいピクリとも動けなくなったという。) そしてある時、今まであれだけテンションの高かった将軍さんの気配が全く無くなった。少し不安にはなったものの、まぁ先輩だし、自ら寝部屋に行ったのだろうと、特に姿を探すことはしなかった。 その後、夜も明けたくらいでわしは仮眠をとったかそのまま徹夜したかはあまり覚えていないが、なんだかんだでチェックアウトのAM11:00が近づいていた。 ここは山奥のキャンプ場であるので、基本的に全員車で来る。なので、帰りの配車を決めなければならなかった。 そこで気付いた。 将軍さんがいない。 我々は先輩を探した。あれだけ泥酔していた上に、夜は完全に漆黒に包まれるため、迷子になってしまったのではないかと非常に焦った。地理的に、迷子というより遭難になってしまう。最悪の場合、もしかしたら…。 あらゆる所を探して回ったが、どこにもいなかった。皆が途方に暮れたその時、一ヶ所だけ探していない場所があることを思い出した。 「開かずのトイレ」 キャンプ場のような場所であったので、トイレはコテージから少し離れた建物にあった。そしてその建物にはトイレがあったのだが、そういえば片方は『使用禁止』となっていた。 まさか。 ダメもとでトイレへと向かった。前見た時には完全に閉まっていた『使用禁止』のトイレの扉がかすかに開いていたが、何かに引っかかって開けることができない。全く生きものの気配はしないものの、そっとその隙間から中を除いてみた。 すると。 完全に生命活動を停止した将軍さんが、洋式便器にお座りになっていた。そして、明日のジョーのエンディングの如く、ぐったりとうなだれていた。 探しに来た一同はひとまずホッとするとともに、将軍さんの救出活動に入った。いくら外から呼んでも微動だにしなかったため、強引に押し入ることにした。扉は将軍さんの足にひっかかっていたみたいだが、少し押すとすぐに開けることができた。 まず先に突入したドリンボが、悲鳴をあげた。 蛇にでも噛まれたか!!?と思ってわしも急いで中に入ると、そこには信じ難い光景が広がっていた。 人糞が、いっぱい地面に落ちていた。 !!!!!!??????なぜ!!? だって将軍さんは、便器に座っているではないか!!!?????? 想像すると、泣けてきた。あまりに泥酔した将軍さんは便意をもよおしたため、トイレに駆け込んだのであろう。しかし誰かが使用中であったためしばらく外で待っていたのだが、あまりの泥酔のため肛門のコントロールを失ってしまい、「もうだめぽ!!」というところで『使用禁止』のトイレに駆けこんだのであろう。しかし理性に反して肛門は本能に従順であり、ズボンを下ろしている間にスパークしてしまったに違いない。そしてそこまではなんとか理性を保っていた将軍さんもそれをスイッチに意識がブチ飛んでしまい、そのまま崩れるように洋式便器に倒れ込み、そのままお亡くなりになったのであろう。 涙が出てくるストーリーである。どれだけ苦しかったであろうか、想像に難い。 生気を失った将軍さんはまるで物体が運ばれるように車に押し込まれ、本人の意思とは全く関係なく家路に着きましたとさ。 PR |
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