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2016 08,05 21:45 |
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↑ラウンドアバウト 説明:ラウンドアバウトとは交差点の一種である。3本以上の道路を円形のスペースを介して接続したもので、この円形のスペースの真ん中には中央島と呼ばれる、円形の通行できない区域がある。車両はこの中央島の周りの環状の道路を一方向に通行する。環状交差点。(Wikipediaより)
2016年6月下旬。
わしの運転する車には人見、けんと、コースケ、じんぼというお馴染みのベジメンバーが乗っていた。しかしいつもと違って少し違和感を覚えるところといえば、車から見える街並みのほとんどがレンガや石材でつくられており、それよりなにより標識が英語で記載されていた。
そう、ここはロンドン!
その興奮たるや、この映像が全てを物語っている。
着いた初日から「俺はこの街に住むことができる。この空気は俺に向いている。」と訳のわからない言葉を発し、ロンドン市内の建築にいちいち異常興奮して車内からiPhoneをフルパワーで40連写し始めるじんぼや、「俺、前にロンドンに留学したことあるけど、気候が不安定で、住みにくいから、ダメ。」と夢も希望もない鬱陶しい主張で返す尾中部長、運転するわしに「早く練習場に行きたいから、強気で信号を突破しろ。既に黄色信号で2回も止まって、時間をロスしている。」と非人道的なアドバイスをする人見、「この道の先に、俺の求める強いヤツが待っているのか」と達観した面持ちでただ遠くを見つめるコースケなど、ドライバー的にはまとめて叩き殺してやりたいと思うには十分な車内空間であった。そしてこのメンバーでのドライブはあと約10日残されていることが約束されていた。
大会3日目。
先のメンバーにサトルイシイを加えた6人で、車で宿から大会会場へと向かっていた。今回のドライバーはコースケ。我々の中で国際免許を持っていったのはわしとコースケだけだったので、日ごとに交代で運転していた。
3日目ともなるとだいぶ運転にも慣れてきていた。
しかし、その慣れこそがトラブルを生むことは、日本の教習所でも必ず教えられることである。
今日も強いヤツを渇望するコースケは、最新型のシトローエンを、完全に慣れた手つきで転がしていた。
・・・、大丈夫か?と案じている矢先、大会会場直前のラウンドアバウトに差し掛かったところで乗員から悲鳴があがった。
なんと、コースケは何度も通ったラウンドアバウトにも関わらず出口を間違え、とんでもない方向へと爆走を始めたのであった。
道を間違えなければ集合時間の10分前に着く予定だったのが、よりによってハイウェイのような大通りに接続してしまい、大会会場が見えるところまで来ていたのに、横目に会場を見ながらすさまじい勢いで目的地から遠ざかってゆくというプレイに洒落込むことになってしまった。
タコつぼのような車内では当然のごとくコースケバッシングが始まり、やいのやいのとコースケの心理を追い詰めた。おもしろ半分のバッシングに比例して、コースケのドライビングも荒くなっていった。
結局15分程度ロスした我々は、なんとか会場へ向かう道へとリカバリーしたが、最後の小規模ラウンドアバウトに差し掛かったところでのじんぼの発言で、コースケの中の何かが弾けた。
じんぼ「ラウンドアバウト、回っちゃう???!!」
通常ラウンドアバウトは出口がきたら速やかに出て行くのがルールなのだが、リミッターの外れたコースケの理性はこの時点で無くなっていたらしく、なんと出口に向かわずにラウンドアバウト内をぐるぐると回り始めた!ラウンドアバウト内でアクセルが踏み込まれて加速した車内には大きなGが発生し、まるで洗濯機の脱水のように我々は外側の扉にはりついた。
その時のコースケの「してやったり!」という恍惚とした表情は、ラウンドアバウトの帝王、通称『ランナ・バウ男』と呼ぶのにふさわしい造形をしており、わしの脳に深く刻み込まれている。
そんな形で終始ガタガタうるさかった我々にリベンジを決めたコースケはようやくラウンドアバウトの出口に向かったが、自身も興奮状態にあったのか、なんと直後にあった大会会場の入口をまさかのスルー!
それに気付いたコースケの焦りは一転してピークに達したのか、その先でターンを決める際、かなり対向車の接近がギリギリの中で急加速して割り込み、しかも割り込む際には軽く中央分離帯に乗り上げるというかなりの荒業に走った。
そして大会会場への入口、右折して対向車線を横切る必要があったが、目の前から迫り来る大型トレーラーの鼻先数メートルを掠めるように横断し、なんとか会場へとたどり着いたのであった。
車内で「いやー、ランナバウ男さんのスリルドライブはひどかった!」と振り返っていると、大会のボランティアスタッフが近寄ってきた。駐車場への道順を案内してくれるのかなと、コースケは窓をあけると、スタッフは言った。
スタッフ「後ろの車が、この車のドライバーに話があると言っているよ。」
なんだよー、あの雑なドライブに文句言われるんじゃないのーと後ろを振り返ってみると、至近距離に1台の車がつけてきており、その車体には知能の低い我々でも知っている単語が大きく書かれていた。
POLICE
会場の道脇に誘導された我々の車にPOLICEカーが横付けされ、コースケは出てきた屈強なポリスメンに外に呼び出された。見上げるような屈強なポリスメンとコースケ、その距離50cm。コースケがぐぅの音も出ないほどに打ちのめされていることが、会話の内容が聞こえずとも理解できた。
サトルイシイ「いいか、車内の我々もとにかく反省している顔をするんだ。あと絶対に撮影してはいけない。撮影しているのがばれたら、本当に取り返しのつかないことになる。」
大会期間中で最も説得力のあるアドバイスを我々にし、我々も素直にそれに従った。
結局コースケはPoor Driving(荒い運転)に対する厳重注意を受けたものの、幸いそれ以上のペナルティーは課せられることはなかった。
こうしてコースケは「ランナ・バウ男」という新たな漢の勲章を得ることを代償に、ずっと彼が会うことを夢見ていた「俺より強いヤツ」どころかある意味最強の男と相対し、むごたらしいまでに完敗したのであった。
教訓:海外での運転に慣れはキケン!浮かれても、焦っても、荒い運転はしないようにネ! PR |
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