2025 05,16 04:01 |
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2019 12,04 17:06 |
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近年の映画において、異なるパラドックスでの主役たちや、同じ世界のヒーローとヒールが共闘するという手法は、続編を望む視聴者の好奇心をゴリゴリに掻き立てるため、よく見られるように思われる。 「スターウォーズ」での、ジェダイとダークサイドの共闘 「ターミネーター」での、人間とターミネーターの共闘 「イップ・マン」での、イップ・マン師匠とカム・サンチャウ師匠の共闘 その究極的なものはマーベルのアベンジャーズであろうか。アベンジャーズに至っては、もはや共闘のお祭りである。 フィクションの映画の世界においては、法規を超越した勧善懲悪が許されるので物理的に闘って悪を懲らしめるという世界観が成り立つが、現代日本の一般人においてはあまり闘い(戦い)の場面に直面しない。 ただ、戦闘を比喩的に置き換えれば、“ビジネス”や“スポーツ”においては闘いの舞台と捉えられるかもしれない。 特にスポーツ、なかでも我々が取り組んでいるアルティメットも、二者に明確な勝ち負けを示すという意味では、“闘い”の一種と言うことができるであろう。 2019年11月某日の富士川緑地、アルティ界において日本代表レベルに突出した異分野のヒーローが、参加人数が1500人を超えるGAIAカップのなかで、天文学的な確率で1チームのなかに並び立った。 そのチームは“福島塗料雷神”といい、1983年生まれの選手が主体となるチームである。 ヒーローの片翼は、1983世代の西の雄、松野。 アルティ界における彼の活躍についてはもはや説明不要であるが、学生時代から数えると、アルティの大会ではもう100回くらいMVPを獲っているのではないだろうか。他の追随を許さない、恐ろしい成績である。 それに相対するヒーローは、同じく1983世代の東の雄、コースケ。 彼はアルティの昼の部こそ無冠であるが、年1回開催される台湾の大会の夜に行われるパーティーにおいて、参加者約6兆人が受賞目指しておびただしい血と汗と涙と共に凌ぎを削った末にたった1人だけ得られるParty King賞を、なんと5年連続で受賞している。この成績もまた前人未到の圧倒的な領域と言うことができる。 お互い、アルティというベースは共通しているものの、活躍の舞台がまるで異なり、ただそれぞれの分野では頂点を極めているという、雷神というチームのなかでまさに先の共闘理論が完璧に当てはまる、奇跡としか表現し難い状況が発生していた。 ただ、突出したヒーローたちは、時として水と油であり、ふとしたきっかけで犬猿の仲に陥ってしまうことは、映画の歴史が証明している。かのアベンジャーズにおいても、当然のように共闘を続けてきたキャプテンアメリカとアイアンマンが、方向性の違いにより一時的に仲違いしたりと、ヒーローたちの共存は、なかなかうまくゆかないのが世の筋というものである。 松野とコースケにおいても、おもしろいようにその法則が当てはまった。 大会中に発生した事案をいくつか紹介しよう。 シーン1。 オフェンスにたけし、わし、松野が入っていたターンにて。 ディスクを持っているたけしに対して、わしは「日頃のインターバル走の成果!!」とばかりにまるでシャトランのようにオープンのスペースをゴリ走りしているのに、たけしはまるで空気を相手にしているように一ミリもこっちを見ず、突如発狂したかのような長距離ぶっ刺しハンマーを発射。その先には、松野。 …いやいやいや、さすがにそんな勢いで垂直に落ちるようなハンマーを叩き落されたら、さすがの松野さんでもグシャってなるでしょ!!! とゴミ一同ことわし、コースケ、ひげパンマンはコート内外でプゲラしていたら、当の本人は、我々の一人も予想だにしない行動に。 エグイ速度で突き刺さるハンマーに対し、ギャラリーに魅せつけるためだけとしか思えない完成されたフォームでスライディングしながらの“手ミート”で、スポッ。 完全に、庶民派の我々への当てつけであった。 もし我々が同じ状況に陥ったのであれば、ドッジボールキャッチしにいって顔面から大地に激突するか、早々にディスクが大地に着弾するのを見守りにはいるかの2択しかないところ、楽勝に、シャーーー、キラキラッ、スポッ、である。 この頃からだろうか、ライバル視するヒーローからの挑発と受け取ったコースケのハートに、火がつき始めていたのは。 シーン2。 ディフェンスにコースケ、松野が入っていたターンにて。 なんとかTOを起こし、コースケによるハメ側からの松野への裏展に対し、そのまま奥に走り抜けていたコースケが裏ロングに抜けている状態が発生したので、伝家の宝刀・松野のサイドロングが炸裂!向かい風かつだいぶ距離もあったが、落とす方が難しいというようなスウィートな速度、軌道で、吸い込まれるようにコースケの胸元へ。そしてごちそうさまとばかりに、漫☆画太郎ばりに顔面を完全開放させながら、キャッチ。ブレイク、一件落着、よかったネ、に思えた。 しかしその後サイドラインにて、コースケ師匠は、先の一連のプレーについてガタガタと論評されていた。 コースケ「あのシュートは、うまかった。しかし自分にとって完全に太陽が目に入る軌道だったので、落とすかと思った。」 暗に、テクニックは認めるが、レシーバーに対する太陽光の照射角度までは配慮できていなかったから、あのスローは二流であると主張されていたのである。 二大ヒーローのすれ違いは、気のせいではなく、確固たるものとして、そこに発生していた。 シーン3。 夜、宿での飲み会ことパーティーにて。 ゲリラ的に開催された「スパークリングワインのオープン時に発射されるコルクを肛門で受け止める選手権」へのエントリーが始まった際、並み居る体育大出身の猛者を押しのけて、1人の漢が我先にと名乗りを挙げた。 その伝説の勇者を彷彿とさせる圧倒的なオーラをまとう人物とは、 そう、 コースケ アルティ界のバロンドールことParty Kingを5年連続で受賞している自負からか、一ミリの迷いもなく四つん這いになり、率先して完全開放した自らの肛門を提供。 そして、 ポンッッッ!!!!! うぎゃーーーー!!!!!!!!!! という、一連の伝統芸能を披露するという余興を提供されたわけであるが、転げ回って悶絶しながら、してやったり顔で松野にアピール。 しかしなぜだろう、当の松野は一ミリも意に介していないようであったが、この露骨な挑発行為に、内心少なからず穏やかではなかったであろう。 二人のすれ違いは、泥沼の様相を呈し始めていた。 シーン4。 冷戦は、遂に最終局面を迎えた。 パーティー(宿の部屋飲み)も盛り上がってきているところ、皆の話題は2020年の世界大会へと移っていた。 アルティ界で、実際にアルティをしているところでは全く話題に挙がらないわしとコースケなのであるが、おこがましくも我々はマスター代表の選考を受けさせていただいていることから、見渡せばA代表経験者だらけのみなさまから今日のプレーを通じてアドバイスをいただくといった流れになっていた。 そんななか、愛と勇気だけが友達でおなじみのアンパンマンを限りなく薄汚く仕上げた、迫力の顔面と達者なトークだけが友達のひげパンマンが、今最もホットでセンシティブな関係となっている二人をターゲットに、デリカシーのかけらもない問いをぶん投げた。 ひげパンマン「で、松野的には、コースケをA代表に入れるとしたら、どういう立ち位置で扱うわけ???」 なぜひげパンマンごときが神の目線でトークをまわしているのか全く理解不能だが、そこはなぜかスルーされ、皆の興味津々な目は一斉に昼の部の権力者である松野に向けられた。 それを受けて松野さんは、さほど考える時間も要されずに、穏やかな口調で、しかし皆の耳と心によく通る声で、一言、おっしゃった。
構 想 外
瞬間、皆でコースケのフォローのために頭をフル回転させるが、一周して「やっぱそうだよね」という結論に至ってしまうがために次の発言がついつい遅れてしまい、時が止まったようにフリーズするパーティー会場。 その一方で、極限まで無駄をそぎ落としたありがたいお言葉の直撃を受け、完全開放の漫☆画太郎フェイスのまま、もはやギンギンににじみ出るエクスタシーを抑える努力もせずにダダ漏れにしている、コースケ。 しかしながら、以前、ゴミの一派であるドリンボが一蹴された際に使われた言葉はひらがな1文字であったのに対し、今回に至っては漢字を3文字も使っていただいているので、コースケにとっては僥倖とさえ言えるであろう。 そんなやりとりの裏で、雑に振った結果、片方のヒーローが撃滅されたことを見て、黒い微笑みを浮かべるひげパンマンがいたことを、わしは見逃していなかった。 そう、このヒーローの共闘関係崩壊の物語の真の黒幕はひげパンマンだったのかと戦慄したときには、時すでにお寿司であった。 次回作、なんだかんだあって両ヒーローが再び手を取り合い、極悪非道ひげパンマンをやっつけるという続編を、是非見てみたいものである。 ↓オマケ:それでも俺たちは、楽しく生きているんだ(ひげパンマン+コースケ) PR |
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