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2016年12月10日、11:30。わしは志村さんと、東京都文京区にある湯島天満宮に来ていた。この歴史ある神社には2人の恋愛成就のお祈りに来たわけではなく、東京都立聖オゲレツ学園アルティメットエロス倶楽部ベジグリフォンズ、通称東京ベジグリフォンズの元キャプテンである高間とその相方の蘭ちゃんの結婚式のために来ていた。わしにとって初めての神社での結婚式であったため要領がつかめずまごまごとしながらも、なんとなく人の流れに従って進み、待合室で待機していた。
待合室に着くと、列席者と思われる集団の中に、鮮やかな青のストライプスーツ三つ揃えに薄い青のシャツ、それに赤の蝶ネクタイを合わせるという、明らかに神社の日本家屋とミスマッチな服装をした男が目に留まった。 わしは違和感だらけのその男とはなるべく関わりたくないと思い目を逸らし、他人のふりを決め込もうと思っていたのだが、その願いに反して男は一直線にこちらに向かってきて、よりにもよってわしは話しかけられてしまった。
尾中部長「俺、大丈夫かな?」
本人も薄々気付いているようだったが、そんなに大丈夫そうではなかった。どちらかというと、これから神社本堂で神前式に出るというよりは、ブロードウェイのコンサートの司会を務めると言ったほうが納得する人が多かったであろうことは間違いない。
“-----俺のことを、呼んだか?”
はっ!!!!!?
待合室で談笑していると、突然わしの脳細胞が、科学では説明のつかない信号をキャッチした。
まわりを見渡してみても、やはり今まで話していた志村さんと尾中部長しかおらず、そもそもわしは誰も呼んでいない。そして2人はこの事態に全く気付いていない様子。
湯島天満宮が奉っている菅原道真の霊がわしの脳に語りかけてきているのかと、目に見えぬオーラに冷や汗を垂れ流していると、その瞬間にも得体の知れぬ気配はみるみる近く大きくなってくることが感じられた。
遠くの方から、明らかに待合室の入口に向かって近づいてきている。 そして遂に“それ”は待合室の入口に、実体を伴って現れた。
わしは神社での怪奇現象に恐怖し意識も絶え絶えになりながらもなんとか自分を保ち、極限の状態で入口に目をやると、そこには驚くべき光景が発生していた。
そこにいたのは、
そう、 コースケ
コースケ「おまたせ、俺のこと、呼んだかい?」
もちろん、わしは呼んでいない。
そして驚愕することに、
新郎新婦も彼を招待していなかった。 その証拠に、わしがもらった列席者名簿に彼の名前は確実に無かった。
なぜ呼ばれてもいないのにここにいるのかと、志村さんと尾中部長と散々問いただすと、彼は全く動じることなくひとこと言った。
コースケ「春本が呼ばれて、俺が呼ばれないわけが、ないだろ?」
春本が呼ばれているという情報は、当日朝に流れていたベジLINEで入手したらしい。それだけを情報源に、結婚式への参加を確信したのだという。なんという漢気であろうか。世の諸君、これがパイセンが後輩に見せる『漢気』である。
「お帰りください」
となるのが当然の流れであったが、菅原道真の霊が、コースケの漢気を評価してくださったのであろう。元々列席者名簿に名前があった春本が所要により欠席となり、偶然空席ができたため、急遽コースケが春本として列席する流れとなった。
待合室から案内された先の部屋で新郎新婦と対面することになったのであるが、呼んでいないはずの男が突如現れ、さぞ新郎新婦は驚いたことであろう。
繰り返しになるが、これは一人のタコの小話ではなく、一人の男の究極の漢気の物語なのである。 PR |
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