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2017 12,12 18:58 |
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メイドから掌底カチ上げを甘受した翌日、わしは懲りずに雷神のGAIAカップ優勝の打ち上げに参加した。
わしはみんなと「優勝おめでとー!」の祝杯を交わしたのであたかも自分も優勝した気持ちになっていたが、そこでふと、それは純粋な白昼夢であることを思い出した瞬間の寂寥感といったら、ゾクゾクするものがあった。
打ち上げにはコースケ、尾中部長、ドリンボ、わしといった聖オゲレツ学園東京アルティメットゑロス倶楽部VegeGriffons所属の、雷神への参加資格がギリギリ首の皮一枚の連中から、西からは韋駄天さん、エマ、志村さん(←こういうときだけ西ヅラしてて鬱陶しいこと極まりない)といった代表級の有名人まで、まさにピンキリといった面子が参加していた。特に前者4人に関しては大会にいてもいなくても何ら結果に影響を及ぼさないのであるが、打ち上げにだけはしっかり来るところがとても太いハートを持っていると言える。
そこに、雷神優勝の立役者となった男がやってきた。
そう、たくちゃん。(≠妖怪。元日体、現ノマ)
最近の経歴・成績だけでも2016年世界大会のオープン日本代表、2017年全日本選手権優勝、2017年ワールドゲームス日本代表と、この上ない。全日本選手権の予選でドヤ顔で敗退している聖オゲレツ学園(以下略)のタコとは生きている領域が違うことは明白である。(ただし最近第三者的に見ても劣化が著しいと評価される、且つ現役無職のドリンボさんだけはいまだに自分がトップ選手と認識しているらしく、この期に及んで「芝は余裕」(←Buzzの芝選手)とおっしゃっていたので、是非近いうちにマッチアップして公然とどつきまわされてほしいと心から願っている。)
そんな聖オゲ(以下略)にとって雲の上の圧倒的な存在であるたくちゃんなのであるが、席につくとその威光を振りかざしてふんぞり返ることなく、逆に前のめりとなって好奇に満ち溢れテカテカとした表情をしていた。
この空間のどこにそんな興味深い案件があるのだろうと思って話を聞いていると、耳を疑う発言が飛び込んできた。
たくちゃん「ドリンボさんとかコースケさんとか、有名人に会えてすごく嬉しいです!」
ん?
足臭とセクハラのラブマシーン(または35年ローン子持ちのニート)ことドリンボと、ランナバウオことコースケという、経歴的に何もアルティ界に貢献していない二人に会えて嬉しいとか、正気の発言ではない。
更に話を聞いてゆくと、優勝したGAIAカップで唯一心残りがあり、それは顔面の迫力と達者なトークだけでアルティをプレーしている尾中部長と、チームメイトであったにも関わらず大会を通して望んでいたほどお近づきになれなかったことだ、とのこと。
どうしてそうなる???
アルティ的に1mmも接点のない我々をなぜ有名人と認識する???
ロシアの文化歴史学者が「主人公」を以下のように定義したという記録がある。
“テクストを内と外の二項対立的空間に分け、内から外へ、また外から内へ、二項対立的世界の境界線を越える人物を「主人公」とする。”
どうやらたくちゃんはこの業務日誌を深く読み込み過ぎたために彼らのことを業務日誌における「主人公」と認識し、それが実際に現実世界に現れたものだから、業務日誌の世界から飛び出してきた「有名人」と錯覚してしまったのではないか。
つまりは、業務日誌の中毒症状で、幻覚を見ている???!!
非常に危険な兆候は、トークの随所に出てきた。
『ランナバウオ』
『さっこ』
『越谷レイクタウン』
ふとこれらのワードが出たときに、「それ、○○の記事に出てましたよね!」とわしに満面の笑みで同意を求めてくる場面が何度もあったが、中には筆者であるわしですら忘れてしまった件も含まれていた。
筆者としてとても喜ばしいことである一方、また一人日本の至宝がダークサイドに堕ちてしまったと、わしは顔では笑い、心で泣いていた。
また、打ち上げのなかで、雷神を牽引したキャプテン・コースケがたくちゃんのことを「たくや!」と、大会二日間の激闘を共に戦い抜いた戦友に対してあってはならない、リアルに誤った名前で呼ぶプレイを何度も繰り返していたが、その度たくちゃんの顔にはうっすらエクスタシーが浮かんでいたことを、わしは見逃さなかった。そして誤って呼んだ当の本人にも当然のごとくエクスタシーが充満しており、もはやこのあたりの人間関係はカオスとしか表現できない有り様であった。
宴たけのなか、惜しまれながら打ち上げは終宴となった。
皆はJR品川駅の改札に入ろうとするところ、わしは京急線だったためその旨を伝えると、突然呼び止められた。
たくちゃん「ハルオさん、一緒に写真撮ってください!」
ツーショットを撮ったら、やっと撮れた~!と喜んでくれた。
『メイドに掌底を打ち込まれ感謝を述べるキモヲタ → 日本代表選手』
この流れの写真撮影希望の流れは有り得る話であるが、逆に、
『日本代表選手 → メイドに掌底を打ち込まれ感謝を述べるキモヲタ』
という流れで写真撮影を申し込むことは、世間一般的に有り得ない。サッカーの世界で例えると、本田選手自身がスマホを持ってキモヲタにお願いしてツーショット自撮りする、とか、想像がつかない。どう考えても逆な件である。アルティメット界って、楽しいネ。
わし「たくちゃん、どうか道を、誤らないでね。」
わしは渾身の決めゼリフを残して皆と別れ、颯爽と家路についた。
その道中、心なしか口元が緩んでいたとか、いなかったとか。
口元が緩んだ際、「なんか頬の辺りが痛いな、今日の打ち上げが楽しくて笑いすぎたかな」と思ったが、冷静に観察するとそれはメイドの掌底によってつくられた打撲痕だったとか。 PR |
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