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<0日目>
2018年6月22日の、新宿・歌舞伎町。
既にすっかり日も落ちており、歌舞伎町がヤバイ雰囲気を醸し出してくる時間帯であったが、わしはそんな歌舞伎町のなかでもとりわけ奥深くに存在する、とある中華料理屋に向かっていた。
打ち合わせには全く相応しくないロケーションで、この後楓・りおと面会し、新チーム立ち上げについて話す予定となっていた。
皆中華屋に集合したところで、中華料理をつまみながら、ボチボチ話を始めた。
わしが監督のオファーを受けるにあたり、予めいろいろ確認したかったことを聞いてみた。
わし「新チームの目標は何だい?」 りお「4年後、2022年のWUCC(世界アルティクラブチーム選手権大会)に出場することです。」
ほぅ。長期的なビジョンを持っていて、しかも国内だけに小さくまとまらず、世界レベルを目標に設定してくるとは、おもしろいネ。
わし「メンバーのアテはあるのかい?」 りお「はい、もう各所に声をかけていて、15人くらいは揃うんじゃないかと思います。」 わし「ほぅ!そんなに集まってるんだ!」 りお「はい、今まだ学生の子にも声かけてます。」
ほぅ。順調にいけば、人数はそこそこ揃うのか。
わし「何でノマでもバズでもなく、表舞台に顔を出したことのない聖オゲレツ学園アルティメットゑロス倶楽部ベジグリフォンズのわしにオファーしたんだい?」 りお「U24のときに、コロンビア戦の直前に情報をくれたのを覚えていました。」
へぇ、U24のときのことを覚えていてくれて、戦術面での考えを判断基準に、候補に挙げてくれたんだ。(U24の世界大会時、わしは2人の対戦相手であったコロンビアの特徴的なOF戦術について情報提供したという過去があった。)
わし「せっかく社会人の貴重な土日を使っての練習になるのだから、なるべくアルティだけではなくて、選手のプライベートの時間にも配慮した活動であることをウリにできるといいんじゃない?」 楓「はい、プライベートも大事だと思います。」 わし「そうすると土曜は一日練、日曜は半日練とか、そんな感じかしら?」 楓「はい。土曜も日曜も、半日練でいきたいと思います。」
…ん?? 土日とも半日練???
要約すると、 ・世界大会賭けの全日本選手権まで3年の期限で、 ・現時点で学生も混ざっている、実力も不明な15人くらいのメンバーで、 ・他のチームの半分の練習時間で、
で、
「WUCCの出場(=全日本で3位以内と推測)を目指す」、だと?!
無謀すぎる!!!!笑
だってわし、もそもそ監督とかやったことないし!!!!笑笑
アルティの実力や実績的に考えても、監督に相応しい人、他にいっぱいいるでしょ!!!!笑笑笑
冷静に考えるとヤバすぎて笑いが止まらない条件であったが、でも、そんな夢を語る2人の目は嘘を語っておらず、他でもない「わし」に目標達成のための助力をお願いしてきていた。
何の自信もない。
何のノウハウもない。
でもなぜか、2人の期待に応えてあげたいという心が、冷静な頭の試算を、上回った。
と同時に、こんな無謀な挑戦を達成してこそ、これまでの様々な日本アルティ界の常識を覆すキッカケとなり、わしというイチ人間が日本アルティ界に存在したんだという証を残すことができるかもしれないという、妙な気持ちも湧いてきた。
それは、今までたくさんの喜怒哀楽という人生において大切なものをわしに与えてくれたアルティメットという競技への、「感謝」の気持ちに他ならない。
わし「うむ、じゃあ、やろうか。よろしくお願いします。」
3人は握手を交わして、わしはこの日、正式にマーベリックスの監督になったのであった。 PR |
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