2025 05,16 20:16 |
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2012 07,19 20:15 |
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みなさんは直島(なおしま)をご存じだろうか。
直島とは香川県と岡山県の間の瀬戸内海に位置する小さな島である。 ただ直島が他の島と違う所は、直島は「アートの島」と呼ばれており、島じゅうに美術館はもちろんのこと、芸術作品やアートなプロジェクトに基づく家(家プロジェクトと呼ばれている)が点在している。 また、自然に囲まれた街並みもまるで昭和初期のような風情を漂わせており、その辺を散歩しているだけでタイムスリップしたかのような非日常感を感じることができる。 そんな直島は、1つの小さな島にも関わらず世界中から芸術に興味のある人たちが訪れるのだという。もちろんアルティ界のユニをつくり散らかしている、自称・安い方のハイパーメディアクリエイターことわしも例外ではなく興味を持っている。 関西方面への旅行の際に、ゴリ押しで直島ツアーを提案して総勢7人で直島を巡ったのであった。 直島に訪れる観光客はさすがにアート系の人種が多い。しかし彼らがだいぶ奇抜なファッションをしていても、不思議と直島だと馴染む。わしは当初ノーマルな服装をしていたのだが、半日ばかり過ごしているとわしの中に眠るアートの心に火が付き、ノーマルな格好をしている自分に苛立っていることに気付いた。 「東京エロス倶楽部ベジグリフォンズの安い方のハイパーメディアクリエイターという看板を背負って直島に来ているというのに、今のわしの格好のだらしなさといったらなんたることか。世界中から集うアートな人種たちにベジグリフォンズ魂を見せつけてやる!!」 わしは決心した。 ベジユニ2011モデルの上下を私服として装着し、更に真っ赤なスニーカーで足元を固め、意気揚々と街を歩いた。 背中にアートな紳士淑女・おしゃれキッズたちの視線をビシビシと感じる。そして中にはわしのことを直島に設置されている1つのアートと思いこんだのか、カメラをこちらに向けている人たちもいる。 「か、完全に勝ち組や…」 と、この現状でもだいぶ満足しているところに、事件は起きた。 わしのことを遠巻きに眺めている人たちの中に、1人やたら目が合う可愛らしいアート系女子がいた。なんかやたら目が合うなぁと思っていたら、その女子はおもむろにトコトコ歩いてこちらにやってきて、わしの胸元を指さして話しかけてきた。 アート系女子「そのキャラなんて言うんですか?」 がびょーん、可愛らしいアート系女子がわし(の着るベジユニ)に興味津津丸!! しかし女子とのコミュニケーションに全く免疫の無いわしはその質問に対し全く気の利いた回答をひねり出すことができず、パニックに陥ってしまった。 わし「ベジグリ君って言います。」 アート系女子「ベジグリ君?それって私服なんですか?」 わし「・・・はい。」 アート系女子「へー。何でベジグリ君って言うんですか?」 わし「・・・えーと、(お腹あたりにあるVegeGriffonsという文字を指さしながら)なんかベジグリフォンズっていう訳のわからない言葉があって、それのキャラクターなんです。」 アート系女子「へーー。それって自分でつくったんですか??」 わし「・・・えーと、関西方面に僕が画伯と呼んでいる人がいまして、その人にベジグリ君を描いてくださいってお願いしたんです。(背中を向けながら)ちなみに背中にもベジグリ君がいるんです。」 アート系女子「へーーー。あーー、短パンにもキャラクターがいる!写真撮ってもいいですか??」 わし「どどどどどどーぞ。」 と、ガチで正面と背面から写真を撮られた。あまりに突然の出来事にわしはだいぶ取り乱していたが、キメ顔だけは忘れなかった。 アート系女子「ありがとうございます。すごいシャレオツですねっ☆」 素敵な笑顔を残して、アート系女子は去っていった。 壮絶な敗北感に打ちひしがれたわしは足元にあった椅子に崩れるようにして座り込んだ。 そしてわしの隣でその一部始終を見守っていたたくちゃんがポツリと言った。 たくちゃん「はるおさん、病気ですね。」 そんな、暑い暑い日の夏の思ひ出・・・ PR |
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