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2015 10,27 17:14 |
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2015年10月24、25日の週末、我らが愛のキューピット秘密結社・VegeGriffonsの面々は、静岡県は富士市の富士川緑地に集結していた。チャンピオンズリーグなる全国トップレベルの酒池肉林が展開されるとの情報に食いつき参集したものの、集合したテントのまわりはユニフォームを着た男だらけであった。
話は大会1日目。
風がだいぶ強くなってきた3試合目、我々は北国の強豪バルチックスと史上初の対戦を控えていた。
未知の相手との対戦前、 「190cm級の巨人が何人もいて、ゾーンのカップに360度囲まれてフィールド中央ではまる」 「巨人のノーモーションのサイドロングが100m以上飛ぶ」 「巨人の投げたハンマーの威力が高すぎて地面に刺さったことがあるので、ディフェンスは避けたほうがいい」 など、小心者の我々の中でバルチックスに対するあることないこと情報が錯綜し、ひたすら戦慄していた。
そしていざ試合開始となった。
蓋を開けてみれば、バルチックスは巨人が暴力をふるってくるような野蛮なチームではなく、特にハンドラー陣の技術が高く、強風をものともしないハンドリングに翻弄された。
ベジのディフェンスの戦術は、強風の中でスイング数を増やさせ、難しい打開のスローのミスを誘おうというものであった。
敵陣エンド前で何度も何度もスイングを繰り返させ、遂にその瞬間がやってきた。
ハンド→ミドルへの裏展開のスローが向かい風にあおられ浮き、レシーバーの頭上を越えた。その間にディスクとレシーバーの間に、マンツーでついていた『中国製の雑な大砲』ことランボーが追いつき割って入ったため、後はTOを待つだけという状況になった。
その直後、敵味方関係なく、その試合の全関係者が予想だにしない事件が発生した。
位置関係を再確認すると、敵陣エンド近く(TO後、ベジは縦パス1本でゴールできるくらい)で、ディスクはサイドラインから1mくらい。ランボーがTOを起こすことのできる選択肢としては、以下が予想された。
1.そのままディスクが地面に落ちるのを見守る 2.ディスクとレシーバーの間に体を置いて邪魔する 3.ダイブしてキャッチorカットする 4.手か足でディスクをサイドラインの外に弾き出す
しかしランボーは、常人には無い5番目のオプションを選択した。
ディスクが地面まであと10cmという高さまできたところで、ランボーのゴン太の右足が振りかぶられた。その瞬間わしの中で世界が止まり、ランボーの頭上にキック力のパワーメーターが発生したのが見えた。メーターの針はゼロからグリーンゾーンを超え、イエローゾーンも通り越し、遂にはレッドゾーンに到達した。しかし針はレッドゾーンすらもぶち抜き、未知の領域の「怒」ゾーンにまで達したところで、世界が再開された。
ドゴォォォーーーーーーン
ランボー怒りの右足が振りぬかれた。
方向は、1m先のサイドラインではなく、自陣エンドゾーン方向であった。
ランボーによって蹴り抜かれたディスクは驚異的なスピンがかかったため浮力と推進力が生まれ、更にそれらのパワーは風の力と完全にシンクロし、地上10cmにあったディスクは尋常ならざる軌道で滑空を始めた。
1m、3m、5m
全然落ちない。
10m
まだまだ落ちない。
30m
元気に飛んでいる。既にフィールドの半分のマイナスゲイン
40m
50m
嘘だろ?????!!!
最終的に、ディスクは自陣エンドゾーンの奥のラインを超えていった。推定飛距離、80m。下手なスローオフより確実に飛んでいた。
アルティメットという競技において、1つのTO、そして1つのブレイクを奪うことが、どれだけ遠く難しいことか・・・。サイドラインのベジとバルチックスの面々は互いに目を見合わせ、妙に納得したように頷きあったのであった。 PR |
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