2025 10,12 13:32 |
|
2019 01,09 20:24 |
|
わしは湯煙の中、少し熱めのお湯につかり、解凍されていた。 わしの普段の行動パターンにはそんなにこだわりがあるわけではないのだが、大会での遠征先や、旅行の際だけ、宿泊先の宿で欠かさずに行うことがある。 それは、朝、みんなより少し早く起きて朝風呂に入ること、である。 朝一の風呂はオススメである。 なぜなら寝汗で加齢臭がギンギンになっているのが一掃されることはもちろん、体が温まることで頭も活性化する、かつ一人だけの時間をつくることができるので、その日の試合や旅行のプランなどをしっかり整理することができるのである。 大きな湯船であれば、湯に浸かりながらストレッチまでしてしまえば、そのまま試合に出れるコンディションの完成である。 そんな小さなコダワリに基づき、わしは雪山の探求者ことコースケ師匠プロデュースのスノボツアーの早朝にも、一人、大浴場の温泉で冷えた体を解凍していた。 温泉に肩まで浸かり、湯船のふちに寄りかかりながら目を閉じてみると、脳の回転が急加速したのか、とりとめもなく色々な思い出や情景が浮かんできた。 嫁氏との結婚記念日、自宅で豪勢な手作りディナーを食べたこと。 アメリカの大会に出た後、少し延泊してセカンドハネムーンと称してカリフォルニアのディズニーランドに行ったこと。 ・・・、ん? なぜだろう?? 夫婦のキレイな思い出のはずなのに、 なぜ3人目の登場人物の存在が脳裏をチラつく・・・?? わしはそのホラーすら感じる光景に若干の恐怖を覚えながら、 当時の記憶を掘り起こしてみることにした。 2015年の某月。 結婚式から1周年ということで、その日は自宅で嫁氏こと華絵門氏がディナーにスペシャル手料理を振舞ってくれるというアクティビティーが予定されていた。 ローストビーフやシャンペンなどが用意され、まさに2人のための記念のディナーが始まろうとするタイミングで、来訪者を告げるドアホンが鳴った。 招き入れるやいなや、来訪者は言った。 かよ「大阪の○○○○○、到着しましたー!」 (↑当ブログの読者層は清く正しいマインドの持ち主のみで構成されているため、残念ながら○の部分は一文字も開示することができない) 大阪からはるばる、かよがやってきた。 なんでもその日、千葉でとある大会が行われたとかで、大会後に比較的千葉に近い我が家に寄ってくれたという経緯であった。 ちなみに来訪希望の連絡があった際、その日が記念日であることを伝えてしまうと、気にしぃのかよは確実に遠慮してしまうと思われたので、せっかくの機会だから是非来てもらいたかった我々はあえてその件は伝えずに招いたのであった。 かよとの出会いは、いつぞやの済州島でのアルティの大会が初であった。 初日の夕飯にて、韓国のソジュ(焼酎のことらしい)を飲みまくって泥酔したかよが、あろうことか済州島の誇る限界突破な辛さの緑トウガラシをチームメイトに食わせまくるという食テロを実行したために、多くのチームメイトの胃袋が再起不能なまでに壊滅し、早々にトーナメントで敗退したという、輝かしい思い出が鮮明に蘇る。 と、そんなキッカケから、水野家はかよに仲良くしていただいている。 壊滅的なご挨拶の後に実はその日が記念日であることを伝えると、やはり最初は気を遣っていたかよであったが、圧倒的な順応力によってすぐに場に馴染んでいった。 お酒も進んできたところで、日々思うところがあったのであろう、かよが胸に秘める思いを吐露しはじめた。 内容としては「アルティの実力と、礼儀・マナーとのバランス」といったところであろうか。 確かに、わしもそれは感じることがある。 「アルティがうまい=人間的に優れている」という関係が必ずしも成り立つものではないことは、アルティ界においてアルティと関係ない部分でスターに登り詰めたコースケ師匠という存在が物語っている。 しかし悲しきかな、その関係が成立していることを盲信し、方向性を誤ってしまっている残念な人を、たまに見ることがある。どうか早く気付いて、真に魅力的な人間になってもらいたいと思うものである。 そんな、アルティの場から派生した深いテーマについて、ローストビーフを食し、シャンパンを飲みながら語るかよは、だんだんと傾いていった。 そう、語りながら、傾いていった。 地面に対して90°、60°、30° と傾いてゆき、最終的に地面に対して水平になったとき、 その語りは、 いびきに変わった。 寝てる????!!!! まさかと思って、目の前で手を振っても、返ってくるのはいびきだけ。 ローストビーフの仕込みよりもじっくり語り合った、礼儀・マナーという領域を遥かに超えた異次元の事態に、わしと華絵門氏は目を合わせてただ微笑むことしかできなかったとか。 はっ!! 本当に3人目の登場人物がいた!! と湯船で我に返ると共に、もう一つの記憶、「カリフォルニアでのセカンドハネムーン」についても思い出してみることにした。 これも2015年だったか。 ひょんなことからJDに「アメリカのクラブチーム選手権の、南カリフォルニア予選に出ないかい?」と誘われて、華絵門氏と共にアメリカに行ったのであった。 その年は9月のシルバーウィークがうまいこと繋がってすごく長かったとかいう理由で、大会に出た後にも数日の休みをとることができたのであった。 以前の記事でも紹介したとおり、えっつんの暴力的なドライビングテクにより数回殺されそうになりながらも何とか大会を乗り切った我々は、チームメイトと分かれた後、レンタカーを転がして一路アナハイムへと向かった。 目的地はアナハイムにある「ディズニーランド」!! わしは誰になんと言われようと、何歳になってもディズニーの世界観に感動し続けられるであろうという感性の持ち主であるため、モノホンUSAのディズニーランドはとっても楽しみなのであった! 奇しくも華絵門氏もディズニー好きであるため、我々はこの旅を「セカンドハネムーン」と称して、ルンルン気分でカリフォルニアの広い青空の下、ハイウェイを快走していた。 アナハイムのディズニーリゾートが近づいてくると、自ずとテンションが上がり、助手席の華絵門氏との会話も弾んだ。 わし「アナハイムのディズニーには、日本にはまだ無いカーズのアトラクションがあって、それがすごく人気なんだって!!」 華絵門「閉演前のショーも日本のものとは違う仕様らしいから、すごく楽しみ!!」 ??「カレの指のあま皮がちょっと浮いてたんで、痛くないだろうと思ってピッて剥がしたんです~。そうしたらびっくりするほど怒り始めて、逆にそれに私もびっくりしちゃって。信じられます~??」 はっ???????? 車内に、誰かいる!!!!!!?? 恐る恐る振り返ると、後部座席には大阪の○○○○○が鎮座されていた。 そう、セカンドハネムーンに、かよが同行していた。 通常では拭い去ることが困難なほどの巨大な違和感も、本場USAの夢と魔法の国が、全て忘れ去らせてくれた。 パーク内の景色やアトラクションの全てがわしにとってドンピシャであり、1分1秒、そしてパーク内での一歩一歩が楽しすぎた。 アトラクションで言えば、やはり前評判どおりカーズは頭一つ抜けて楽しかった。 乗り物系アトラクションの最後にスピード要素も入ってくるという、もはやエクスタシー以外の何物でもなかった。 その他印象に残ったアトラクションといえば、パークのほぼ中心に位置する観覧車であった。 観覧車の頂上から見渡すパークやアナハイムの景色は素晴らしいものであったと共に、観覧車のカゴの挙動にも一工夫されていた。 通常の観覧車であれば定位置でまわるだけなのだが、その観覧者のカゴは前後上下に動くようなレールにとりつけられており、まわりながら前後に動いたり、急に落ちたりと、不規則な動きをするのである。 盛り上がりを惜しみつつ観覧車を降り、次のアトラクションへと向かおうとするところで、ふと違和感に気付いた。 その違和感は単純なもので、3人の足並みが急に揃わなくなったのである。 急に、かよの歩行速度が遅くなった。 どうしたのかな、楽しすぎて泣いているのかな、と思って振り返ってみると、そこには尋常ではなく顔面を真っ青にし、決して子供に見せてはいけない表情をしたかよがいた。 そしておもむろに、かよは言った。 かよ「すいません、行ってきます。」 まるで真珠湾攻撃を敢行するパイロットの如く悲壮な表情を浮かべ、かよは踵を返して、夢と魔法の王国に流れる時間のスピード感を完全に無視した速度で走り去っていった。 まさか人混みを狙って自爆攻撃を仕掛ける気なのか、早まるな!!と思いつつもしばらく行き先を傍観していると、行き交う子供たちに凝視されることも憚ることなく、確実にトイレに向かって最短コースを攻めていた。 夢と魔法の国の観覧車に、あたってしまったらしい。 数分後、本土爆撃を済ませて露骨に血色が良くなったかよが「おまたせっ◎」とばかりに帰ってきて、何事も無かったかのようにセカンドハネムーンが継続されたのであった。 湯船の中で、ハッキリと思い出した。 そう、夫婦の記念日には、かよが、いた。 次はどこに行こうかね~??笑 PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
忍者ブログ [PR] |