2025 05,16 02:11 |
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2021 05,25 17:28 |
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時は2021年4月。 マーベリックスは、「グラウンド予定地に芝を植えるイベント」というわし史上未だかつて耳にしたことがない類のイベントに、光栄なことに芝植え役としてお声がけいただいたため、山中湖畔の某所に集まっていた。 山中湖越しに雄大な富士を臨みながら、ポカポカと爽やかな陽気に包まれてピクニック気分で芝植えっ◎、 となることしか想像していなかったが、現実はそう甘くはなかった。 1ケタ代の気温に加え、強風による横殴りの豪雨 悪夢であった。 雨粒が大きくて、瞬間的に風が強くなった時にはまるで冷水のシャワーを浴びているかの如くであり、そこに連日の気温から急に10℃くらい下がった低い気温が加わり、痛いのとか寒いのに著しく弱いわしはものの数分で仮死状態に陥っていた。 そんな環境であったのでさすがにこの状況での芝植えは延期になるだろうと思っていたところで、我らが吉田楓キャプテンは英断を下した。 楓「芝植えやるよーー!!!!」 彼女の誇る圧倒的な身体能力の前では、これしきの天候の乱れなど恐るるに足らずの範囲らしい。虚弱なわしはありったけの服をかき集めて上は5枚、下は3枚を重ね着してもブルブル震えていたが、信じ難いことに吉田キャプテンは寒いとか何も感じていない様子であった。 最近、彼女の雪の降るような真冬でも短パンで練習する異常な感覚や、アルティでのエゲツない暴力プレー(←暴力的な、という意味であり、ホントに暴力をふるっているわけではない笑)の数々を目の当たりにして、わしのなかで「さては吉田楓は、吉田楓の皮を被ったザイオン・ウィリアムソンなんじゃないか?」という疑念が沸き上がっていたのであるが、今回の事案がかなりその疑念を確信に加速させたことは言うまでもない。 さて当初ピクニック感覚で始めた芝植えであったが、全容を知れば知るほど過酷なものであった。 作業としては、土の大地に、一枚45cm×45cmの芝+土のブロックを隙間なく敷きつめてゆくというものであり、芝のブロックが5枚重ねられたものがひとかたまりとして紐でくくられていて、それがグラウンド脇に山のように積みあげられている、という状態であった。 従って、大きく ・グラウンド脇にある芝ブロックのかたまりを、芝を設置する付近に運んでくる ・かたまりから芝ブロックを1枚ずつ取り出し、地面に敷きつめる という作業に細分されるのであるが、特に前者については純粋に力仕事であったので、仮にも男性を自負するわしは前者に積極的に従事することにした。 早速一つ目の芝ブロック×5のかたまりを持ち上げたとき、わしは思った。 わし「尋常じゃなく重い!!!!!!!!!」 何を隠そう、良く晴れたカラッカラの芝や土であればちょうどよい重さなのであろうが、芝のブロックには降り注ぐ雨によって完璧に水が染み込みきっており、恐らく通常の倍くらいの重さになっていた。感覚的に例えるなら、持ち手の不安定さも重なり、60リットルの遠征バッグに荷物をパンパンに詰めたくらいの重量は感じた。 それをブロックの山から片手にひと塊ずつ持ち、ベジガールが敷きつめている近くまで、約20mくらい運ぶ。かたまりを置いたらまた芝ブロックの山に戻り、両手に持つ。そして運ぶ。ひたすらその繰り返しである。 強風豪雨に晒されながら、やばすぎる肉体労働であった。 でもわしが芝の供給を止めると敷きつめ係の作業が滞ってしまうので、休むわけにはいかない。 健気にもわしは移動は小走りで、わき目もふらず無心で芝ブロックを運び続けた。それはまるでダンベルを両手に持ったシャトラン状態であった。 休むことなく30分程度ダンベルシャトランを続け、意識が朦朧となってきて危ない危ないと周囲を見渡してみると、そこに信じ難い光景を目の当たりにすることとなった。 マーベリックスからは今回のイベントに2人の男性が参加しており、1人はわしであり、もう1人はタコ師匠であった。 当然のことながら別グループで作業しているタコ師匠もわしと同じく運搬の力仕事をしているだろうと信じ込んでいたら、なんと細腕の女子たちに混じって芝を敷きつめる係に勤しんでいたのである!!そしてわしですら悲鳴をあげる運搬作業を、ベジガールや、マーベリックス外のボランティアの方にやらせていたのである!!! ブチ殺してやりてぇ!!!!! 過酷な肉体労働のなかでわしの感性もおかしくなっており、この「タコ師匠女子のフリ事件」が発端となって、招待いただいたイベント主催者の前で、まさかの全軍入り乱れての乱闘騒ぎ一歩手前まで発展したのであった。 乱闘騒ぎひと段落し、既に相当疲労していたので残りのノルマの作業量を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。 「今、四分の一です。」 おしまいdeath ほぼ無酸素運動で30分の芝ダンベルシャトランを続けてまだ四分の一という情報、わしにとって痛恨の一撃であった。わしの例に漏れず、芝植え開始当初は談笑しながら和気藹々と作業を進めていたベジガールたちの口数も時間が経つにつれて次第と減ってきて、終盤にはただひたすら重い雨がレインウエアと、ほぼ水溜りの田んぼみたいになっている地面に打ち付ける雨音しか聞こえなくなっていた。 そんな過酷な状況のなかでも、ベジガールたちは誰一人弱音を吐いて離脱することはなかった。この経験は、試合終盤の辛いなかでの戦いでもうひと踏ん張りしなければいけないときに、きっと活きてくるであろう。(←こじつけ) 芝植え開始から2時間以上が経ち、両手に芝ブロックをもって運ぶ目の前の水溜りの水流が三途の川に見えてきた頃、ようやくその日の作業の終わりが見えてきた。 しかし希望の光が見えてきたところで、わしにこの後この日最大の悲劇が待ち受けているとは、到底知る由がなかった。 作業は大きく2グループに分かれて行っていたので、こちらの作業が先にひと段落したのでわしはもう一つのグループに助っ人として参加しにいった。 そこにはもう既に芝ブロックが必要な分が運ばれている状態だったので、わしは芝を敷き詰める係に加わった。 わしは意を決して、水浸し、いや、もはや水浸しを超えて沼のような水溜りの様相を呈している地面に四つん這いになり、一心不乱に芝のブロックを隙間なく設置していると、頭上から声がかかった。 向井選手「タコさん、あと残りどれくらいなんですかねー??」 あれ?タコ師匠は近くにいたかな?と思って辺りを見回してみると、ヤツはここから10m以上離れた場所で作業している。 どう考えてもわしの前に立つ向井選手の声のボリュームは10m先のタコ師匠に向けられたものではなく、状況的にわし向けだろうと思われたので、勘違いしてるなら返事すれば声でわかってくれるかなと思い、わざわざ訂正することなく、作業しながら答えてみた。 わし「うーん、あと少しってとこじゃないかな?」 ドサッ 答えた瞬間、芝ブロックが四つん這いするわしの顔面の前を通過し、水溜りに落下した。 バシャ!! そして向井選手の高い打点から放たれた、重い芝ブロックが水溜りに落ちた威力による跳ね返りで、地面からの泥水がわしに降りかかった。 えっ? わしの返事を聞いていたのか聞いていなかったのか、はたまたわしの声を認識していなかったのか、向井選手は続けた。 向井選手「タコさんって、」 ドサッ バシャ! 向井選手「両手で、」 ドサッ バシャ!! 向井選手「芝を並べるとか、」 ドサッ バシャ!!! 向井選手「几帳面ですね◎」 ドサッ バシャ!!!!! ええええええ??????!!!! これはいったい何のプレイ???!!!!!!! あまりに狂気じみたプレイ、もといやりとりに恐怖を覚え、わしはここで意を決して四つん這い状態で顔を上げ、向井選手に問うた。 わし「タコさんって、、、、、もしかしてわしのことか???」 向井選手「えーーん、監督とタコさん間違えちゃった~~~、ピエンです~~~~www」 ピエンはわしのセリフじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 考察してみると、仮に向井選手がわしのことをわしと認識しながら「タコ師匠」呼ばわりしたのであれば、それは最悪のケースである。監督=タコ師匠という構図となり、タコ師匠がチームを監督しようと、わしがオムツ爆竹で自爆プレイをかまそうと、どちらでもよいという事態に陥ってしまう。 次に向井選手がわしのことをタコ師匠と見誤って「タコ師匠」と呼んだのであれば、それは単純にわしにとって忌々しき事態である。わしが監督を気取って普段いくら偉そうにしていても、根っこのところでは「アラフォーのおじさん」としてタコ師匠と一括りに認識されているということであり、タコ師匠との差別化のみを意識して日々生きているわしとしては、非常に痛い。 どちらの場合でも、一言で表現すると、要するに「ピエン」ということである。 マーベリックス設立以来保たれてきた「監督⇔選手」の絶妙なバランスを、まさかの第三の勢力であるタコ側に一気に引きずりおろしにかかるという大胆さをもつ大型新人・向井選手!! 極太の心臓を持つ向井選手から放たれる、相手に致命的な一撃を与えること必至なスローに、今後大いに期待である!!!! PR |
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