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2019 09,11 17:28 |
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2019年9月某日の土日、わしは静岡県は富士市に来ていた。 今回は俺たち青春さわやか青年団、東京都聖オゲレツ学園アルティメットゑロス倶楽部VegeGriffonsの活動ではなく、マスター部門の強化合宿に参加することが目的であった。 参加者は北海道から関西まで幅広い地域から来ており、初対面の人も多かった。 ハリウッドタコ師匠ことコースケがデフォルトで備えている「俺より強い奴に、会いに行く」というポジティブマインドは全然持ち合わせていない小心者のワシは、リアルに俺より強い奴だらけの環境に緊張し、口の中はカラカラであった。 わしがそんな事態に陥っていることは微塵も外に出していなかったはずなのだが、もう学生時代から15年近い付き合いの秀一先生はおもむろに言った。 秀一「もしかして、緊張してんの?」 一個下の生意気な後輩に、わしは言ってやった。 わし「してない」 そして、練習会は始まった。 そんなまだ皆の顔と名前も覚えられないなかで練習会はスタートし、定番のスクエアドリルから始まった。 表面上の平静を取り繕っているわしのスローはベロベロだったり露骨にマイナだったりを連発したが、さすがにまだバレていないだろうとふんでいたところに、初コンタクトの男性が近寄ってきて、話しかけられた。 ケイ「ケイです。ブログ、すごく好きで読んでます。お会いできるのを楽しみにしてました。」 … 彼の目には、わしはスクウェアドリルでのスローすらペラペラなのに、ヘーベジの子たちに限界を超えて走らされてゲロを吐くことにエクスタシーを感じるといった変態的なブログを書く、ただのゴミと映っているのだろう。 ブログ執筆による、マイナスからのスタートという弊害。 わしはただただ、しにたくなった。 結局一日を通して低パフォーマンスなプレーに終始してしまい意気消沈して宿に着くと、部屋割りは「わし、コースケ、ガボン」という珍妙なベジ同期部屋であることが判明した。部屋割りをしてくださった協会のご担当の方、ナイス采配である。 部屋は洋室であり、広いワンルームのなかに間隔をあけてベッドが三台並んでいるという形状であった。ベッド以外のスペースも広くとられており、とても良い部屋ではないかと思われたが、一つ、致命的な欠陥があった。 冷房が効かない これは本当に致命的であった。その日は最高気温35℃という猛暑であり、建物に日中の熱がこもってしまっている影響で、室内は夜になっても外気より暑い有様であった。 あまりにもむごたらしい仕打ちに何度も受付に問い合わせたが、その度「今調整したから、少し様子を見てください」の一点張りの回答であるもののあたりまえのように設備は改善されなかったため、これは早々に代表候補からベジグリフォンズのゴミを抹殺しようという強い意志を元にした組織ぐるみの陰謀であることを確信した。 体感30℃以上でベッドで横になっているだけでも汗が流れるような蒸した密室に男3人が入り、室温も不快指数も更に上昇しつつある状況に加えて、部屋中に干していた洗濯物もあまりの湿度のため全然乾かず若干生乾き臭が発生し始めるという地獄、まさしく試練であった。 だが、青春さわやか青年隊を自負する俺たちは、寝汗ギトギトのお肌ベトベトという、社会のイメージと相反するような仕打ちを甘んじで受け入れるだけでは終わらない。 組織の陰謀によって事態の打破に人の助けが得られないと確信した今、わしはこの試練に、環境面から真っ向から立ち向かうべく、立ち上がった。 まず、室内より廊下のほうが多少は涼しいことを確認済であったため、セキュリティー面を犠牲にして、部屋の入り口のドアをフルオープンで固定することにした。 それだけでも若干空気の流れが変わるので改善ではあったのだが、ドアを開けてあたりを見回すと、なんと廊下の隅に扇風機が数台用意されていることを発見した。 …さっき受付で相談したとき扇風機情報は一切くれなかったが、一体何のハードモードRPG?! どう考えても同室に泊まった先人の血と汗と涙の結晶としか思えない扇風機を一台拝借して、部屋の中央に設置。 強風の首振りモードで作動させようとプラグを刺そうとあたりを見回すと、…今度はコンセントが見当たらない、だと?! しかしサバイバル本能が目覚めたわしにはそんなハードルは無いも同然で、厚かましくもこの状況において自らの欲望を満たすためだけに充電をしていたコースケのiPhoneのケーブルをブチ抜き、電源を確保。 そして遂に、扇風機を作動させることに成功! 部屋より若干涼しい(といっても30℃弱くらいか)廊下の外気を取り込み、更に扇風機をベッドの高さに調整して首振りをさせたら、三人に命の風が行き渡るように!!! わしはこのファインプレーにこの日一番の満足感を覚えたのであった。 しかしそんな努力も虚しく、送風だけでは限界があり、快適とは程遠かった…。 寝ている間、暑すぎて何度も起きた…。 寝たんだか寝てないんだかわからないような状態が続くなか、ふと気付いたらもう窓の外が明るくなってきていた。 満足に寝られていない絶望を感じつつも、朝食の時間もボチボチ迫ってきていたので、そうとなれば一刻も早くシャワーを浴びて寝汗を洗い流したい!とばかりに起き上がると、そこでわしは確実に見てはいけないものを見てしまった。 わしが寝ている(朦朧としている?)間に室内で何があったのか全く把握していなかったのだが、そこには、一糸纏わぬ、まさに「生まれたままの姿」という表現が完全に当てはまる様子で寝ている人物がいた。 「え?!えっ????何何何??!!!」とわしはギョッとしつつも、ゆっくりと寝ぼけ眼を慣らしてゆくと、その仰向けで大の字に横たわる人物はどうやら見覚えのある人物であることがわかってきた。 フル開放しているドア越しに廊下から完全に見える角度にあるベッドで、 布団もかけずパーフェクト全裸で仰向けで大の字に寝る、 肉付きの良い裕福そうなボディーをした、 全身がフサフサの体毛に覆われたその人物とは、 そう、 ガボン 寝苦しい地獄から覚めても同部屋にそんなむさ苦しいモンスターいるという多重地獄のなかで、唯一救いであったのは、ガボンの地対空ミサイル・パトリオットが迎撃態勢に入っていなかったことに尽きる。 もし起きた瞬間から北朝鮮の飛翔体を撃墜するべく天高くパトリオットがそそり立っているのを間近で目撃してしまっていた日には、わしの心は木っ端微塵に叩き折られ、その瞬間をもって選考を辞退する決意を固めていたことであろう。 ただ未遂であったものの、その光景はわしにとって令和イチおぞましいものであったことは言うまでもない。 しかし彼は9割方ただのバケモノであったが感謝しなければいけない面もあり、我々の部屋は夜じゅうホテルの廊下という公共の空間へ開放しっぱなしであったにも関わらず蛮族からの襲撃を受けなかったのは、ひとえにガボンが入口付近で身を挺して部屋の奥で眠る我々を守ってくれたからに違いない。 持つべきものは同期である。 このブログをご覧になっている、組織のみなさん。 次回はどうかガボンをシングル部屋、もしくは単独で他ホテル、またはどこかの檻にぶち込むという配慮をしていただくことを、ご検討いただけないであろうか。 PR |
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