2025 05,16 04:50 |
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2019 06,20 19:31 |
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伝説の勇者ことコースケ師匠は、たくさんの異名をもつ。 関 越夫 ・・・大会でひたちなかに行くのに、誤って関越道に乗りドヤ顔で新潟方面に向かって爆走したことによる。 ランナ バウ夫 ・・・世界大会のロンドンにて、チームメイトへの仕返しのためにラウンドアバウト(環状交差点)の出口を出ずに延々とドリフトしながら回り続ける奇行に走ったことによる。 てっぺん とり夫 ・・・大会でもう予選敗退してるのに、残りの試合の目標をたずねられて「てっぺん」と答えたことによる。 その他、タコ太郎、タコザイル、サンシャインタコ崎、愛の狩人、鎖骨さん、伝説の勇者などもはや思い出しきれないほどの数があるがあり場面場面でその顔を使い分けているが、ベジガールからしてみればそんなことはどうでもよく、要はストーカーチックな「おじさん」という認識でしかなかった。 そう、アジア・オセアニア各国の猛者との激闘が繰り広げられたビーチアルティのサンクチュアリこと、和歌山は南紀白浜への冒険の旅を、共有するまでは。 2019年6月某日金曜夜、コースケ師匠が青梅街道を眠らぬ都市・新宿に向けて転がす10人乗りのハイエースの助手席に、わしは乗っていた。 わしはビーチアルティに関しては1㍉も知識がないため帯同したところでただのストーカーになってしまうので、このAOBUCでのヘーベジの監督兼ドライバーは、2015年にドバイで開催されたビーチ世界大会でのメン部門日本代表であるコースケ師匠にお願いすることにしていた。 なのでわし自身は和歌山には行かないものの、コースケ師匠がヘーベジが試合しているコートサイドをうろついてストーカーと間違われて通報されないように、わしのヘーベジユニを彼に託すために新宿出発前に落ち合ったのである。 圧倒的な存在感でハイエースを転がすコースケ師匠に、世界と戦う選手たちを鼓舞し続ける覚悟があるのか、わしはその心を問うてみた。 わし「師匠、和歌山へ帯同するにあたっての、心意気を教えてください。」 コースケ師匠は、一点の曇りもない表情で、一縷の迷いもなく即答した。 コースケ「てっぺんでしょ」 わしは安心して、ベジガールたちをコースケ師匠に預ける決心がついた。 そして夜10時、7人のベジガールを乗せ、新宿西口の地下ターミナルから戦いの地・和歌山に向けて出発するハイエースの後ろ姿を、わしは見届けたのであった。 土曜朝7時。コースケ師匠からLINEが入った。 コースケ「無事、和歌山の宿に到着!」 究極の漢は、ハイエースを借りた三鷹から数えて11時間に及ぶ単独ドライブを、完遂させた。 しかしわしはまだ眠かったので、LINEはとりあえず放置して二度寝を決め込むことにした。 土日は終日自宅でAOBUCのLIVE配信を鑑賞し続けるというアクティビティーに精を出すことにしていたので、和歌山での各国の激闘の熱を画面越しに感じながら、我らがヘーベジの試合結果にそわそわしていた。 土曜の1試合目は、台湾。 試合終了後ほどなくして、「勝利!」の連絡があった。 決勝トーナメントに入る2試合目、準々決勝は、世界的な強豪、オーストラリア。 予選で勝っているものの全く油断のできない相手であるため試合終了後しばらくそわそわしていると、ようやく待ちに待った結果報告が。 ・・・、これは、いったいどういう事態なのだろうか? 彼なりの美徳や正義があり、その信念のもとでの行動なのだろうと解釈し、ただただ現地の観客らから通報されないことを祈ることしかできなかった。 そんな雑念はさておき、勝ったらしい。 3試合目、準決勝の相手はフィリピン。 予選でヘーベジを倒し、日本代表すら倒しているという、今大会の優勝候補筆頭。 わしはひたすら祈った。 ヘーベジの勝利と、格式高い大会を冒涜するような変態が再度出現しないことを。 ひたすら待った。 そして、遂に連絡がきた。 「勝利!」 スマホの画面で“勝利”の文字を見ただけで震えた。 ヘーベジ、国際大会の決勝へ!笑 この日3試合全勝を果たしたヘーベジのビーチ監督・コースケ師匠は、試合後に自動的に地元のアイス屋に連れ出され、交渉の余地を与えられることなく全員分のアイスを購入させられていたことは、このブログの読者しか知らない事実である。 そして迎えた日曜、大会最終日。 ヘーベジはvs日本代表との決勝戦を、正午12時に控えていた。 余裕のある時間からの試合開始ということで決勝に向けたミーティングは当日の午前中に行うという予定となっており、伝えられることは限られるなかで、わしも事前にエールを送っておいた。 それを見てか、コースケビーチ特別監督から連絡が入った。 コースケ「試合中、遠隔で指示する?」 便利な世の中である。 わしは現場にはいないが、俯瞰映像をLIVEで見ることができるので、その視点で気付いたことがあれば現場に伝えてくれ、という趣旨である。 その提案を了解したわしはその旨伝えると、 コースケ「おっけー、(決勝戦の間)とりあえずLINEは繋いでおくか。それか何か気付いたことあればスマホに連絡してくれ。」 こうして東京―和歌山間の連携体制が準備されたところで、決勝戦が開始した。 開始10分、さすがは日本代表、ヘーベジは連続ブレイクをくらい、一気に4点差をつけられてしまった。 しかしそんな試合展開のなかで、目から血が出るほど集中して画面を注視して情報を高速処理していたわしは、遂に見つけてしまった。 そう、その戦法さえとれば、一気に18連続ブレイクは固いというほどの、必殺のリーサルウエポンを。 わしは世紀の大発見をしたためたメモを握り締め、ギンギンに興奮したはやる気持ちを抑えられぬままに、現場・試合会場のコースケ師匠へと打診した。 ・・・ ・・・既読にならない、、、だと??? LIVE画面に映りこむのコースケ師匠は、迸るエクスタシーそのままにバーサクモードで声を枯らしてベジガールにストーリングの声を出している。 ・・・もしかして興奮のあまり、通信すること、忘れていらっしゃる・・・?????? わし「もしもし?」 未読 わし「おーい?!」 ・・・ 遂に、わしの迸るパッションが現地に届くことはなかった。 稀代のリーサルウエポンは、永遠の闇に葬られたのであった。 ヘーベジは自力で終盤怒涛の追い上げをみせユニバースまで持ち込んだが、惜しくも破れ、準優勝という結果に終わったのであった。 試合終了後しばらくして、LINEが入った。 コースケ「ごめん。忘れてた。」 和歌山からの帰り道も、ハイエースに9人のベジガールを乗せて、安全運転でみんなを無事に東京に送り届けたとさ。 翌日、コースケ師匠が仕事から帰宅すると、伝説の勇者の嫁氏ことさとみんによって干された洗濯物のなかに、かのセーラー服があったとのこと。 伝説の勇者の嫁の心労は計り知れないことを、お察しいたします。 PR |
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